【「変」だ】 青毛堀の「多自然型護岸」とは何か
近くの青毛堀の護岸整備は、久喜地区・青葉団地前の流れはすでに完了して、今は鷲宮地区の改修整備が進められている。
市の環境基本計画案には、環境目標Ⅱ 豊かな自然と人が共に生きるまち Ⅱ-1 生物の多様性の確保の章に、水辺環境の保全と書かれていて、「自然に配慮した水辺環境の整備を推進します。多自然型護岸の整備が掲げられている。
その実績として、多自然型護岸などの整備延長(2011年度末) 青毛堀(2.983m)
今後の目標として、多自然型護岸などの整備延長を、青毛堀川改修事業で、2017年度までに約5km延長させる計画であることが記載されている。
その青葉団地前の青毛堀の護岸整備、行政当局は「多自然型護岸」と言っているのだが、はたして本当にそうか。
以前からこれでいいのかと気になっていた。
〔下〕水面には接しないが、ところどころに穴をあけたのが「多自然」か?
久喜市環境基本計画(案)には、「多自然型護岸」の説明がこう書いてある。
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「ブロックやコンクリートだけの護岸工法ではなく「多自然型川づくり」の設計・工夫がされた護岸のことです。「多自然型川づくり」としては、水際線は直線でなく曲がりや膨らみのある形状にすること、 「瀬」と「淵」の形成を誘導する形状にすること、「木工沈床」など日本古来の伝統技術の採用などがあげられます。
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しかし実際の青毛堀の護岸整備はまったくそれとは違っていて、護岸は直線で、しかも水面と接するところはほとんどコンクリートで真っ平らに塗り固められている。
コンクリートで固めた上の河川敷には土が敷かれて植物が茂っているのであるが、いちばん肝心な水面と接するところが、完全にコンクリートで固められてしまっているのでは、「多自然型」とか「多自然川づくり」とは言えないのではないか。
本来の「多自然型護岸」「多自然川づくり」というのは、水面に接するところに土や自然石、石材等を詰めたかごマット、空隙のあるコンクリートブロックなどを配することによって、水辺生物の生態系が保全できるとされている。
青毛堀は、見せかけだけの多自然型護岸、“なんちゃって多自然”護岸と言うしかない。
〔下〕コンクリートに凹凸を付けただけ
参照⇒最もわかりやすい多自然型護岸の解説ページにリンク
参照⇒国土交通省 利根川上流河川事務所のホームページにリンク
これらの「多自然型護岸」「多自然川づくり」の考え方が、はたして青毛堀の護岸づくりに生かされていと言えるのだろうか。
by tomoni_k | 2013-03-03 09:54 | 「変」だ