「くき市議会だより」2月定例市議会の報告号が配布された。
6・7ページ目に、「2月定例会 提出議案とその結果】が掲載されているのだが、議案名の記載がこれまでとまったく変わっていることにお気付きだろうか。
「提出議案」は、これまでは当然のことながら、「議案の名前とその概要」が記載されていた。
スペースの都合があるので、本当の「概要」であり、文字も小さくて、けっして読みやすいものではなかったが、議案の内容を少しでも読者にわかりやすく伝えようと工夫しているのが読み取れた。
ところが、今回の2月議会報告号に掲載された「提出議案」は、議案名も乗せていないばかりか、議案の「概要」を正しく市民に知らせるものにはなっていない。
たとえば、議案番号1には「コロナワクチン接種(補正)」と記載されているのだが、これは正確には「2020年度一般会計補正予算」で、内容は、コロナワクチン接種費用をいったん削除(減額補正)して新年度に送ることと、その他の予算も含まれている。
したがって、これは議案第1号の説明としては「明らかに間違い」である。
議案番号3以下は、「国民健康保険(補正)」、「介護保険(補正)」等々と記載されているのだが、正しくは「国民健康保険会計 補正予算」、「介護保険会計 補正予算」等々、各特別会計の補正予算である。
議案番号9は「市政全般の予算」と記載されているが、正しくは「2021年度一般会計予算」である。
「一般会計予算」とか、「補正予算」という名称は、すでに一般的になっているが、今回の議会だよりのこのページを編集した議員は、市民には「一般会計予算」「補正予算」と書いても理解できないだろうと考えたのだろうか。
16番の議案は「公共施設整備に民間資本などの活用を検討」と記載されているが、これは正確な議案名は「PFI等審査委員会条例」で、概要の説明としては「公共施設整備に民間資本などの活用を審査する委員会を設置する条例」であり、議会だよりの記載は間違いである。
その他にも、条例改正に関する議案は、「(条例改正)手数料」「(条例改正)介護保険」などと書かれている。
これらは、介助犬の狂犬病予防接種手数料の免除規程を定める「手数料条例の改正」、介護保険料の引き上げを決めた「介護保険条例の改正」であるが、議会だよりの記載には、これらの「概要」がいっさい書かれていないし、市民がこれらの内容を読み取ることはできない。
他のページにも、これらの議案審議の内容については、いっさい書かれていない。
7ページには議員提出議案が掲載されていて、「意見」「消費税率を5%に減税を」などと書かれているのだが、これらは正しくは、「消費税率を5%に減税を求める意見書」等々である。
この議会だよりの記載から、わざわざ「意見書」の「書」を削除して「意見」とだけ掲載したのはどんな意図があるのだろう。
議会だよりの使命は、議会で審議された内容を、「できるだけ」正確に、「できるだけ」市民にわかりやすく、伝えることである。
それなのに、今回の議会だよりにおいて、議案や議案の概要の記事からは、そうした使命を果たそうとする意図は感じられない。
正確に書いても市民には理解できないだろう、詳しく書こうとしてもスベースが足りないんだから、市民には単に形式的に知らせればいいという開き直り、上から目線のおごり意識が感じられてならない。
スペースが足りないのなら、(1)ページ数を増やす、(2)文字を小さくする、(3)他の記事を減らす、のいずれかの方法をとらなければならないが、そうした検討をしてもいない。
たとえばこの号では2ページ目の全部を使って、江面小学校の発足」の記事が掲載されているのだが、これは少なくとも2月定例市議会の審査報告ではないので、はたしてこの号でこれだけのスペースを使って掲載するべき記事だったのか、大いに疑問がある。
記事の取捨選択に偏りがあるか、あるいは議会の内容を市民に正確に知らせようという意識が欠如しているのではないか。
議会だよりは、各会派から選任された「広報委員会」(広報委員長/貴志議員)で編集しているので、私がこうした批判を書くと、自分の会派の広報委員に言えばいいと反論されることは百も承知で、広報委員会の編集方針に異議を唱えておく。
少なくとも、今号の「提出議案とその結果」の記事、議案の概要の記載は、これまでの議会だよりで最悪である。